大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)2685 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の上告趣意について。

所論は結局被告人等に対する逮捕手続が憲法三四条に違反すること、被告人等の

警察及び検察庁における自白及び安達裁判官に対する自白はいずれもその供述に任

意性がないから、これを証拠に採用した第一審判決並びにこれを是認した原判決は

憲法一一条三八条に違反すること、さらに本件は所論のようないわゆる「デツチ上

げ」事件であつて事実誤認の存することの各点を主張するに帰するものと認められ

る。

所論の逮捕手続の違法が上告理由にならないことは大法廷判例(集二巻一三号一

六七九頁参照)の存するところであつて採用することはできない。

所論の被告人等の警察及び検察庁における自白は、第一審判決が証拠として採用

していないのであるから、この点の所論は全く当らない主張である。同判決が採証

した安達昌彦裁判官の面前におけるA、Bの証人尋問調書二通については、所論も

同裁判官が自白を強要したと主張する趣旨ではないのみならず、記録によれば、被

告人等はそれ等の証人尋問調書を証拠とすることに同意していることが認められる。

(記録二六〇丁)従つてその後に至り、右尋問調書の証拠能力を争うことは許され

ないのであつて、この点の所論は前提を欠くことに帰し採用できない。

事実誤認の所論は、刑訴四〇五条の上告理由に当らないのみならず、原審でも事

実の取調をして事実誤認は認められないとしており、記録によつても原審の右判断

は相当であつて誤は認められない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

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り決定する。

昭和三一年九月二五日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

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